イジワル御曹司に愛されています
背後のベッドに押しつけられるようにキスを受けながら、それもいいなあ、なんて思った。汗だくの都筑くんなんて、きっととてもいい。
私のよこしまな脳内には気づかない様子で、「ベッド上がろうぜ」と素直な誘いをくれる。腕を引かれて立ち上がるか上がらないかのうちに、突き飛ばすように襲いかかられて、気づいたらシーツの上に転がっていた。
「急いでるの?」
「何年分だと思ってるんだよ」
「間にもいたくせに」
「気に入らないならそう言え」
私の上に乗って、遠慮なしに体重をかけて、噛みつくようなキスをしてくる。時折舌を出して私の唇を舐めて、「言え」とにやにやする。
その舌が肩、胸、と下がっていき、服を剥がれはじめると、私はもう言う言わないの攻防も忘れ、触れられるたび震えて、自分でもいったい誰の声かと毎度思う、すがるような鳴き声をこらきれなくなった。
熱い手が、シーツの上で私の手を見つけて、きゅっと握る。指を交差させて、絶対に離れないようにって、そんな具合に。
こんなひたむきな手を持っている人だなんて、知らなかったよ。こんな熱っぽく抱きしめてくれることも、知らなかった。キスだけで溶かしてくれる甘い舌も、「好きだ」とささやくまっすぐな響きも。
私ね、憧れていたんだよ。
都筑くんのいる"あっち側"に、行けたらどんなにいいだろうって。想像もつかない自由が待っているんじゃないかって。
それは結局、単なる思い込みだったわけなんだけれど、その憧れが私に力をくれて、あのとき一歩、踏み出せたのは、間違いなく現実。
あの日、好きだと都筑くんに言わなかったら、こんな今があったかなあ?
きっとこれこそが、私の見たかった世界。なんてね。
「なに笑ってんの。って前にも似た状況で聞いた気がするけど」
「笑ってないよ」
「なんで嘘つくの」
「じゃあ笑ってた」
私の肌を噛みながら、都筑くんも笑った。
私にもついていけるように、ゆっくりゆっくり、浅く揺らしてくれる。
「好きだなあって、思ってたの」
私のよこしまな脳内には気づかない様子で、「ベッド上がろうぜ」と素直な誘いをくれる。腕を引かれて立ち上がるか上がらないかのうちに、突き飛ばすように襲いかかられて、気づいたらシーツの上に転がっていた。
「急いでるの?」
「何年分だと思ってるんだよ」
「間にもいたくせに」
「気に入らないならそう言え」
私の上に乗って、遠慮なしに体重をかけて、噛みつくようなキスをしてくる。時折舌を出して私の唇を舐めて、「言え」とにやにやする。
その舌が肩、胸、と下がっていき、服を剥がれはじめると、私はもう言う言わないの攻防も忘れ、触れられるたび震えて、自分でもいったい誰の声かと毎度思う、すがるような鳴き声をこらきれなくなった。
熱い手が、シーツの上で私の手を見つけて、きゅっと握る。指を交差させて、絶対に離れないようにって、そんな具合に。
こんなひたむきな手を持っている人だなんて、知らなかったよ。こんな熱っぽく抱きしめてくれることも、知らなかった。キスだけで溶かしてくれる甘い舌も、「好きだ」とささやくまっすぐな響きも。
私ね、憧れていたんだよ。
都筑くんのいる"あっち側"に、行けたらどんなにいいだろうって。想像もつかない自由が待っているんじゃないかって。
それは結局、単なる思い込みだったわけなんだけれど、その憧れが私に力をくれて、あのとき一歩、踏み出せたのは、間違いなく現実。
あの日、好きだと都筑くんに言わなかったら、こんな今があったかなあ?
きっとこれこそが、私の見たかった世界。なんてね。
「なに笑ってんの。って前にも似た状況で聞いた気がするけど」
「笑ってないよ」
「なんで嘘つくの」
「じゃあ笑ってた」
私の肌を噛みながら、都筑くんも笑った。
私にもついていけるように、ゆっくりゆっくり、浅く揺らしてくれる。
「好きだなあって、思ってたの」