イジワル御曹司に愛されています
つながる思い出
「面白い企画だね」
私が説明を終えると、打ち合わせに参加していた8名のうちのひとりが、何度もうなずいてそう言った。
「ね、新しい試み」
「できる限り協力するよ。ここまでの計画お疲れさま。これ以降は、みんなで分担しよう」
同じ部署の面々の心強い言葉は、嬉しくて安心する。
「新技術の部分は僕がやろう。出せる情報全部出したいし」
「私、別件で環境の遷移をまとめていたところなので、それ使って資料作ります。監修についてくれる先生もいるし、ちょうどいいわ」
「東京の、ある一か所の話っていうのがいいよね、話が広がりすぎなくて。じゃあ僕は協会の沿革とプレゼン原稿作り」
さすがベテラン勢は、自分になにができるのかわかっている。目まぐるしいほどにぽんぽん話が決まっていくのを、置いていかれかけながら見ていた。
「あの、ありがとうございます。半年後の実施までの間、定例会を設けようと思いますので、またご連絡します」
「了解。初回は来週かな。それまでに各自、プロットとサンプルを用意するってことで」
賛成、と全員が同意してお開きとなった。
私は席に戻るとすぐ、電話をかけた。
『はい』
「あっ、都筑くん? あのね、今時間いい?」
『うん、ちょうどお前んとこ向かってるんだ。展示会のポスターとフライヤーが刷り上がったからさ、取引先さんなんかにもぜひ声掛け…』
「こっち、来るところなの?」
『え、そうだよ』
「あのっ、話したいことある!」
『え? あ、了解。着いたら電話入れる』
私の勢いに若干押された感じだった都筑くんからは、10分もしないうちに連絡が来た。相変わらずひょこひょこしながら受付へと急ぐ。
ロビーの窓際に並べてある、四角いブロック状のソファに腰かけていた都筑くんが、私を見るなり立ち上がってこちらに来た。
「なにやってんだよ、そんな足で急ぐな」
「あのね、松原さんが部内に声かけて、チームを組んでくれたの」
いきなりしゃべりだした私に、都筑くんが「え?」と目を丸くした。
私が説明を終えると、打ち合わせに参加していた8名のうちのひとりが、何度もうなずいてそう言った。
「ね、新しい試み」
「できる限り協力するよ。ここまでの計画お疲れさま。これ以降は、みんなで分担しよう」
同じ部署の面々の心強い言葉は、嬉しくて安心する。
「新技術の部分は僕がやろう。出せる情報全部出したいし」
「私、別件で環境の遷移をまとめていたところなので、それ使って資料作ります。監修についてくれる先生もいるし、ちょうどいいわ」
「東京の、ある一か所の話っていうのがいいよね、話が広がりすぎなくて。じゃあ僕は協会の沿革とプレゼン原稿作り」
さすがベテラン勢は、自分になにができるのかわかっている。目まぐるしいほどにぽんぽん話が決まっていくのを、置いていかれかけながら見ていた。
「あの、ありがとうございます。半年後の実施までの間、定例会を設けようと思いますので、またご連絡します」
「了解。初回は来週かな。それまでに各自、プロットとサンプルを用意するってことで」
賛成、と全員が同意してお開きとなった。
私は席に戻るとすぐ、電話をかけた。
『はい』
「あっ、都筑くん? あのね、今時間いい?」
『うん、ちょうどお前んとこ向かってるんだ。展示会のポスターとフライヤーが刷り上がったからさ、取引先さんなんかにもぜひ声掛け…』
「こっち、来るところなの?」
『え、そうだよ』
「あのっ、話したいことある!」
『え? あ、了解。着いたら電話入れる』
私の勢いに若干押された感じだった都筑くんからは、10分もしないうちに連絡が来た。相変わらずひょこひょこしながら受付へと急ぐ。
ロビーの窓際に並べてある、四角いブロック状のソファに腰かけていた都筑くんが、私を見るなり立ち上がってこちらに来た。
「なにやってんだよ、そんな足で急ぐな」
「あのね、松原さんが部内に声かけて、チームを組んでくれたの」
いきなりしゃべりだした私に、都筑くんが「え?」と目を丸くした。