悪魔くんとナイショで同居しています
アーラはまた漫画を逆さまに読みながら、
「そうだなぁ」
と、悩ましい声を返してきた。
かと思えば何かを思いついたのか急に起き上がり、
「とりあえず絶望に追いやればいいかなー」
なんてニコッとするもんだから、あまりの恐怖に鳥肌が立った。
「あー……そっか。そうだね」
あぁ……でも良かったぁ。
命を奪わないだけまだマシか。
「それはそうと、次は俺の番だな」
「えっ?何が?」
突然何を言い出すんだろう?
って、ことあるごとに漫画を放り投げる癖はなんとかならないのかな……。
「今日、俺を楽しませてくれただろ?」
「え?あー……」
それって、次咲くんを助けに向かったことを言ってるの?
別に……そんなつもりじゃなかったんだけど。
「身を挺して誰かを守るっつーの?ほんっとくだらねぇ人形劇を見ているようだったよ」
「……私は必死だったんだけどなぁ」
悪魔の目から見た私は、笑いたくなるほど滑稽だったらしい。
「つくづく馬鹿馬鹿しい生き物だな。俺は愛情だとか友情だとかってもんは大ッキライだ」