悪魔くんとナイショで同居しています




河川敷に着くと、そこに人影らしきものは見当たらなかった。



物影……物影、っと。



身を潜められそうな場所を探していると、鬱蒼と葉を茂らせる木を見つけた。

あそこなら……隠れられそう。



「何が起こるんだろう……」



やだなぁ、怖いなぁ。

ドキドキしてきた。



葉と葉の間から様子を伺っていると、ほどなくして次咲くんが現れた。

キョロキョロ辺りを見渡しているから、きっと身を潜められる場所を探しているんだろう。



「こっち!こっちだよっ」



顔を覗かせて手招きすると、次咲くんと目が合った。

次咲くんは安堵したように頬を緩めると、小走りで寄って来た。



「あぁ……そこに隠れてたんだね。分からなかったよ」

「ここなら次咲くんも隠れられるよ」

「うん、ありがとう奏ちゃん」



とりあえずアーラに言われた通り隠れて見たけど……。

本当に何か起こるのかな?




< 104 / 360 >

この作品をシェア

pagetop