悪魔くんとナイショで同居しています
河川敷に着くと、そこに人影らしきものは見当たらなかった。
物影……物影、っと。
身を潜められそうな場所を探していると、鬱蒼と葉を茂らせる木を見つけた。
あそこなら……隠れられそう。
「何が起こるんだろう……」
やだなぁ、怖いなぁ。
ドキドキしてきた。
葉と葉の間から様子を伺っていると、ほどなくして次咲くんが現れた。
キョロキョロ辺りを見渡しているから、きっと身を潜められる場所を探しているんだろう。
「こっち!こっちだよっ」
顔を覗かせて手招きすると、次咲くんと目が合った。
次咲くんは安堵したように頬を緩めると、小走りで寄って来た。
「あぁ……そこに隠れてたんだね。分からなかったよ」
「ここなら次咲くんも隠れられるよ」
「うん、ありがとう奏ちゃん」
とりあえずアーラに言われた通り隠れて見たけど……。
本当に何か起こるのかな?