悪魔くんとナイショで同居しています




「つーか他人のこと気にしてる場合か?」

「え?」

「友達と喧嘩中なんだろ?」



友達と喧嘩中、かぁ。

そう、食堂であった一件以来……紗千とは会話をしてないんだよね。



「あー……うん。そうだね」



次咲くんと関わるなって紗千は言ったけど。

私は自分の意思を貫いて、次咲くんとは教室でもたまに会話をしている。



そのせいか、紗千は全くといっていいほど話しかけてくれなくなってしまっていた。



「儚い友情だな。今まで築きあげてきたものは何だったんだろうなぁ」

「あははは……。今はこんな感じだけど、絶対にまた仲直りできるから」



大丈夫。

だって紗千とは幼稚園児からの付き合いだ。



アーラは紗千との友情を儚いと言ったけど、私はそうは思わない。



きっと時間が解決してくれる。

紗千は必ず、私の気持ちを理解してくれる。



「ふん。それはどうかな?人間という生き物は浅ましいからなぁ」

「……大丈夫だよ」


うん、絶対絶対大丈夫。




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