悪魔くんとナイショで同居しています




「おはよう~、紗千!」



教室に入ってすぐ、ドア付近で雑談していた紗千の肩を叩いた。



紗千はちらりと目を向けると、

「……ねぇ、あっちで話そうよ」

挨拶を返すこともなく、数人の女子を引き連れて離れてしまった。



また、無視されちゃったか。

最初は戸惑ったし傷ついたけど、こう数日続けばもう慣れたもんだ。



とは言ったけど……。

やっぱり一人ぼっちは嫌だなぁ。



「はぁ……」



教室に居づらくなってしまったから、思わず屋上まで逃げてきたけど。

もう、どうしたらいいんだろう?



紗千がいない学校生活なんて……ぜんっぜん楽しくないよ。



「どうした?仲直りするんじゃなかったのか?」

「はえっ……?!」



びっくりした!

いきなり声をかけてくるもんだから……心臓が口から飛び出るかと思ったよ。



「アーラか……」

いくらなんでも神出鬼没すぎるでしょう……。



「学校でその名を口にするな。例え近くに人がいなくてもだ」

「あっ……ごめんなさい」




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