悪魔くんとナイショで同居しています




アーラ……じゃない。

黒羽くんは、何をしにここへ来たんだろう?



無言で隣に座りこんだ彼の横顔を眺めていると、不意に顔を向けてきた。



「どうしたの?」

「あっ……いや。ごめん、何もない」

「そう?ならいいや」



あぁぁ……そのふんわりスマイル。

かっこいい、かっこ良すぎて失神しそう。



なんで……

なんで黒羽モードに切り替わった途端、こんなにキュンキュンするんだろう。



「いいね。こうやって風を感じながら、景色を眺めたりするのも」

「そっ……そそそうだね!」



ねぇ、ほんとに本当にホンットーにアーラと同一人物?

思わずそう、疑いの眼差しを向けてしまうほどだ。



まさに天使。

その美し過ぎるルックスはもちろん、爽やか且つ物腰柔らかい内面も。



「あ、そうだった。今度はお前が俺を楽しませる番だからな?忘れんなよ?」



……って、ウットリしてるタイミングでオラオラキャラに戻るのは辞めてもらえません?



「あぁ……はい。分かりました」



やっぱり天使なんかじゃない。

正真正銘、悪魔です。




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