悪魔くんとナイショで同居しています
「悪魔の……召喚術ぅ?」
家に帰ってから、なんとなく本をめくって見た。
決して悪魔に興味が惹かれた訳じゃない。
あまりに暇を持て余していたからだ。
中には小さな字でビッシリと、魔法陣がどうやら生け贄がどうやら書いてある。
ページの脇には、魔法陣の中で向き合う人と悪魔が描かれていた。
「呼び出した悪魔は貴方の願いを叶えてくれます、かぁ」
ってことは、次咲くんは叶えたい願いがあるから悪魔を召喚しようとしてるんだね。
「そんなわけ、ないのになぁ」
この本に書いてある手順通りにやったところで、願いを叶えてくれる悪魔なんているはずないのに。
なのに本気で信じ込んでいるなんて。
「馬鹿みたい…」
ってゆうか、どうでもいいやこんな本。
古めかしい本をベッドに放り投げると、落ちた衝撃でページが開いてしまった。
そしてそこから覗く、美しい容姿の美男美女の姿に目を奪われた。