悪魔くんとナイショで同居しています




「あの……」



背後から聞こえる声に振り返ると、いつの間にやら女子生徒が立っていた。



なんでこう……

みんないきなり現れるかなぁ?

それとも私が気付かな過ぎるだけ?



そんなことよりもこの子は……

「あ、柏崎さん」

なんと同じクラスの、アイドル的ポジションをキープし続けている柏崎さんじゃない。



「やぁ、柏崎さん」

柏崎さんは、爽やかに挨拶を返す黒羽くんに視線を変えた。

から再び、私に視線を戻した。



「……二十日さん。次咲くんと付き合ってるんだよね?」



え、え?

ちょっと待って……柏崎さんまでそんなこと言う?

常にほんわかした雰囲気を醸し出していて、嫌味なんて言いそうもない柏崎さんが?



「えっと……違うかな」

「そうなの……?」



いや、この反応は単なる嫌味なんかじゃないな。

柏崎さんは、本気で私と次咲くんが付き合ってるって思ってたんだ。



それってつまり、私と次咲くんが恋人同士って噂が蔓延してるってことだよねぇ……。

なるほど、だから紗千だけじゃなくて他のクラスメート達もよそよそしかったんだね。




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