悪魔くんとナイショで同居しています
02
授けられた悪魔の力
アーラと付き合うようになってから、早くも数日が経過した。
「ねぇねぇっ、あの子だって!黒羽くんと付き合ってるらしいよ!」
「え?マジ?ブスじゃん」
話したこともない女子に、すれ違いざまにそんな暴言を吐かれることが多くなった。
わざわざ教室まで来て、罵詈雑言を浴びせられることだってある。
「アンタなんか黒羽くんと釣り合わないから!」
「さっさと別れろ!ブス!」
そんなことを面と向かって行ってくる女子が後を立たない。
それだけならまだしも……
「また靴がなくなってる……」
嫌がらせまでされるようなった。
まぁ、なんとなくそうなることは分かってはいたけれど……。
「どうしよう……これから外で体育なのに」
涙が込み上げてくる。
紗千は未だに目すら合わせてくれないし……。
他の友達はみんな柏崎さんの味方。
「奏ちゃん……大丈夫?」
そんな優しい言葉をなげかけてくれるのは、たった一人次咲くんだけだ。