悪魔くんとナイショで同居しています
燃え続ける炎を前に、手を出すことを躊躇していると
「なんだよ、この俺がせっかく人間如き下等生物を助けてやったっていうのに。さっさと受け取れよ」
アーラが不機嫌に眉を潜めた。
「あ……うん。本当にありがとう。火が消えたら受け取るよ」
その時はもう灰になってるだろうな……。
「それよりもその手!大丈夫?!」
ふと見れば、痛々しいまでに火傷をしていることに気が付いた。
今すぐにでも病院に行って処置をしないと。
そんなレベルでの負傷なのに、アーラは平然としていた。
「熱くもなければ痛くもないし平気だ。こんなもん、明日には治ってる」
「そう……なの?」
この程度の負傷はどうってことないってことか。
悪魔って……めちゃくちゃタフなんだね。
ってことは、物理的に攻撃しても死なないってことか。
その上、睡眠や食事が無くても死なない。
「悪魔って不死身なんだね……」
果たして……
そんなアーラを撃退なんて出来るの?