悪魔くんとナイショで同居しています




「奏ちゃん。どうしたの?奏ちゃんも明日のテスト勉強?」

「あ、いや。私は調べごとをしてて……」



次咲くんはキョロキョロ辺りに目を配らせ、

「悪魔のこと?」

声を潜めて問いかけてきた。



「……うん。撃退する方法を探してるんだけど、なかなか有効そうなのが無くてさ」

「そりゃあそうだろうねぇ。大悪魔様はかなり力を持った悪魔だから……撃退するなんて不可能に近いかも」



不可能に近い……なんて言われてもねぇ。

はいそうですか、とはならないよね。



「もう……次咲くんは良いよね。願いを叶えてもらえるし、私みたいに命を狙われたりなんかしないんだから」

やけに冷静な次咲くんを見ていると、まるで他人事のようで腹が立ってくる。



「そんなことはないよ。これでもかなり責任を感じてるんだから」

「本当にそうかなぁ?」



そうだよ、もちろんだよ。

だなんて次咲くんは言っているけど、真相はよく分からない。



「あ、そうだ。今日ね、アーラが私を助けてくれたんだよ」

次咲くんに会ったら話そうと思っていた、焼却炉での出来事の詳細を説明した。




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