悪魔くんとナイショで同居しています




「そんなこと言ったって……いつ殺されるか分からないんだよ?」

「はぁ……それもそうだね」



次咲くんは深いため息を零すと、分かったと小さく頷いた。

仕方がない、残り三人分の不幸は諦めよう。

そんなことを呟きながら。



私達はさっそく神社に向かった。

かなり広大な敷地を持つそこは、この辺りであってもなくても知名度が高いところだ。



「悪魔祓いなんてやってるの?ちゃんと調べた?奏ちゃん」

次咲くんが心配げに眉を下げ、顔を覗き込んできた。



「一応ホームページは見てきたよ。悪魔は分からないけど、悪霊祓いはやってるみたい」

「悪霊と悪魔は根本的に違う気が……」

「いいの!とりあえず、何でもいいからすがりつきたいの!」



なんなら、アーラを消さなくてもいい。

私に近寄れないように結界を張って貰うってだけでも。



「分かった。奏ちゃんについていくよ」

「ありがとう次咲くん」



上手くいけばいいなぁ。

そしたら……もう命を狙われるようなことは無くなるんだから。




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