悪魔くんとナイショで同居しています




「悪よ〜消え去れ〜悪よ〜消え去れ〜」



これで……これでもうアーラは私の前に現れなくなるはず。



数分に渡り続いたお祓いが終わった時、なんだか両肩が軽くなったような気がした。



「本当に……大悪魔様は魔界にお帰りになられたのかな?」

「大丈夫だよ。だって神主さんも、あるべき所へ帰りなさいって言ってたでしょ?」



沈み行く夕日を見上げながら、

「どうかなぁ……」

そう小さく漏らした次咲くんは、全く神主さんの力を信用していないようだった。



「今日はありがとうね、次咲くん。それと……復讐を邪魔しちゃってごめんなさい」



本当は復讐なんかやるべきじゃないと思ってるんだけど……。

次咲くんにそんな感情を抱かせたのは、彼ら自身が引き起こしたことだから。

もうそれは……そうなっても仕方がないと思うようになったんだ。



「あぁ……うん、いいよ。少なくとも、主犯格の佐々原は不幸になったし、それでいいよ」



とは言っていたけど、とても満足しているような表情では無かった。




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