悪魔くんとナイショで同居しています
「それで、肉を魔法陣の真ん中に置くんだ。用意する物は鶏の肝がいい」
次咲くんはスーパーの袋から肉を取り出すと、五芒星の中心にそれら丁寧に並べ始めた。
これが次咲くんがやりたかった、悪魔の召喚術ってやつか。
うん……くだらない。
たんなる遊びにしか思えないんだけど。
「これで準備はオッケー。じゃあ奏ちゃん、あそこの木陰に隠れて見ててよ。僕は魔法陣に守られているけど、君は悪魔に殺されるかもしれないからね」
「ならいいよ……もう帰るから」
興味本位で見に来てしまったものの……冷静に考えると何やってんだろう私。
上機嫌で魔法陣に立つ次咲くんを見ていたら、途端に馬鹿馬鹿しくなってきた。
とは言えせっかくリスクを犯してまで来たんだし……。
もう少しこの馬鹿馬鹿しい光景を見学しようかな。
次咲くんには帰ると言ったけど、側にある木の影から静観することにした。