悪魔くんとナイショで同居しています
背中に固い壁が当たった。
それが意味することは、これ以上後退出来ないということ。
つまりもう逃げ場はない。
アーラの片手が勢い良く頬をかすめ、音を立てて壁で止まった。
いわゆるこれは……世の女子が憧れる壁ドンというやつだ。
近い……顔が近いよ。
なんか、色んな意味でドキドキする。
「え……えへへ」
恐怖に耐え兼ねて、苦し紛れに笑顔を振り撒いてみた。
なんとか場を和ませようと思っての行動だったのに、
「テメェ……余計なことをしたら殺すからな。次はねぇぞ……?」
やっぱりアーラには通用しなかった。
「は……はい。ごめんなさい」
アーラは不機嫌に舌打ちをすると、ふてぶてしい態度でベッドに寝転がった。
あぁぁぁ……やっぱり駄目だったのかぁ。
これは明日、次咲くんに報告しなきゃなぁ……。
次なる、アーラ撃退法を考えなきゃ。
って……今度こそ本当に殺されるかも。
うぅ……もうなす術ないじゃんかぁ。