悪魔くんとナイショで同居しています
発動!悪魔の力!
「奏ちゃん。おはよう」
眠たい目をこすりながら、土手沿いを歩いていると……
後ろから次咲くんが声をかけてきた。
「うん、おはよう……」
「あれ?どうしたの?なんか元気ないね」
そりゃあ元気もなくなるよ。
昨晩、アーラに悪魔の力を無理矢理授けられたんだから。
それを次咲くんに話そうと思ったけど、
「いいか?悪魔の力を持っていることは他言するなよ?」
と、口止めされているせいで言えなかった。
その代わりと言うわけではないけど、お祓いの効果がまるで無かったことを話しておいた。
「やっぱりね。そうだと思ったよ」
「私はちょっとくらい効果があると思ったのに……」
コツコツ貯めていた数ヶ月分のお小遣いを丸々はたいてさ……効果がない挙句に、
「余計なことをしたら殺すからな」
なんて脅されて……悲惨って一言では片付けられないよ。
「大悪魔様は、魔界でもトップに近い立ち位置にいるんだからね?そう簡単に消滅させられないよ」
「はぁ……だよね」