悪魔くんとナイショで同居しています




アーラが隣に座ったりするから、周りの視線が凄く痛々しい。



百パーセントの確率で、なんで黒羽くんと一緒にいるんだよって思われてる。

そのせいで私はかなり居心地が悪いけど、当の本人はニヤニヤしてるし。



「ところでその右手、いつ使うの?」

「右手?」



あぁ……何でも壊せる力のことを言っているのか。



「使わないよ」

「へぇ?そりゃあ残念。絶対に面白いと思うのに」



あれ、何だか以外にあっさりした反応だなぁ。

てっきり早く使えよコノヤロー、とか使わなきゃ殺す、って返答がくると思っていたのに。



「食べないのか?うどんが伸びるぞ?」

「あっ、そうだった!」



なんか……こんなアーラはアーラらしくない。

何も気にしてなさそうな、その明るい笑顔が逆に怖いよ。



裏がありそう。

まるで、私が必ず使うと分かっているかのような……。

そんな余裕が感じ取れる。



「ほ、本当に使わないからね?」

「はいはい、分かってるって」



ほらぁ、やっぱりなんかおかしい。




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