悪魔くんとナイショで同居しています
高架下の一件の時のように、火に油を注ぐような結果になっちゃったら……。
「いいじゃん。明日返すから」
「借さないなら、どうなるか分かってるんだろ?」
こうして悩んでいる間にも、田村くん達は次咲くんに更なる圧力をかけている。
次咲くんも表情が強張っている。
や……やっぱり、猪突猛進するしかない?
「わ、分かったよ。少しだけ借すよ」
恐怖に耐えられなくなってしまったのか……。
ついに次咲くんが、スクールバッグから財布を取り出してしまった。
えぇぇえ?
いいの?次咲くん。
だってソレ、絶対に返ってこないパターンだよね?
田村くんと園山くんが、ちゃんと約束を守るとは到底思えないんだけど……。
きっと次咲くんも……苦肉の策だったに違いない。
「あっ!」
次咲くんがスラックスのポケットから財布を取り出した瞬間のことだった。
ソレを園山くんが奪い取ってしまった。
「かっ……返してよ」