悪魔くんとナイショで同居しています




なによ?

もしかして……アーラに騙された?



モヤモヤしながら右手を見つめていると、離れた場所から大きな音がした。

「うわぁぁあっ!」

それと同時に、園山くんの叫び声も。



えっ……?

えぇぇえ?!



一瞬の出来事で何が何だか分からないけど……園山くんが自転車ごと転倒した。



「おいっ?大丈夫かよ力士?!」

「ってぇぇ……」



痛みに悶絶する園山くんの手には、なんとぽっきりと折れたハンドルが握られていた。



もしかして……本当に壊れちゃった?



「ちょっ……何だよこれ?」



倒れた衝撃か……悪魔の力のせいかは分からないけど。

自転車から前輪と後輪が外れ、サドルもごろんと地面に落ちた。



あわわわわ……見事にバラバラじゃん。

こんなことってなかなか無いよね?

やっぱり悪魔の力のせい……だよね?



「そんなボロクソ自転車なんか盗んだりするからだろ。盗るならもっとマシな奴にしないと」

「あぁ……次からそうするわ」



園山くんはよほど痛かったのか、ポケットから財布が落ちたことにも気付かず……。

ソレを更に、次咲くんが取り返したことにも気付いていないようだった。




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