悪魔くんとナイショで同居しています
園山くんがその後どうなったかは見ていない。
というか、怖くなって逃げ出してしまったから見れなかった。
帰宅してしばらく経っても……胸の高鳴りがなかなか収まらなかった。
……使っちゃった。
絶対に悪魔の力なんて使わないって決めていたのに。
「あっ……アーラ」
真っ暗な部屋の中で眠ることが出来ないでいると、窓から黒猫が侵入してきた。
猫は床に足を着けた途端に美少年へと姿を変え、
「なーんだ。やっぱり使ったんじゃん」
さっそく……悪魔の力のことを突っ込まれた。
「なっ、何で分かるの?」
……もしかして猫に変化して、ずっと見ていたとか?
「車の下から一部始終を見てた」
あぁ……やっぱりそうなのね。
そんなことだろうと思ったよ。
「それにしても、悪魔の力を人助けに使うなんてな。馬鹿にされた気分だ」
「それは……咄嗟だったし。馬鹿になんてしてないよ」
「悪魔の力は人を不幸にする為の力だ。誰かを守る為のものじゃない」
そう言われてもねぇ……。
アーラはちっとも面白くなさそうだけど、私は誰かを不幸にしたいとは思わないし。