悪魔くんとナイショで同居しています




「うん。契約者になれば、奏ちゃんはもう第三者じゃない。悪魔の存在を知っていても殺されないってことだよ」

「なるほどぉ……」



ふむふむ。

それはなかなか……いい方法かもしれない。



アーラを倒すよりも、仲良くなるよりも簡単そうだ。

そっか……何でソレを思いつかなかったんだろう。



さっそくアーラに掛けあってみよう。

「行って来る!」

勢い良く席を立つと、次咲くんに引き止められた。



「願いごとだけど、あまり無理難題は言ったらだめだよ。相応の対価を支払わなきゃいけないからね」



というのは……。

次咲くんの場合は、イジメっ子を不幸にしてもらう代わりに大切なものを渡す……だっけ?



「うん、分かった。ありがとう次咲くん」



私の場合は大丈夫、なにも問題ない。

願いごとだなんて、そんなものはどうだっていいの。

私はただ……死にたくない。



それだけなんだから。




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