悪魔くんとナイショで同居しています
「うぅぅっ……次咲くぅぅんっ……」
「あ……うん、おはよう奏ちゃん?どうして泣いてるの?」
通学途中、次咲くんに出くわした瞬間に涙がどっと溢れてきた。
昨夜はなかなか眠ることが出来なかった。
やっぱり私は死ぬ運命なのかな。
アーラを撃退出来ないのかな。
どうしても非常な運命を受け入れられない自分。
そもそも悪魔に人間が敵うはずがない。
ましてや平々凡々な、ただの女子高生の私なんかがアーラに勝てるはずがない。
それなら……今のうちにやり残したことをやっておくべきなのかな。
やっぱり運命を受け入れざるを得ないのかもしれない。
相反する気持ちが入れ混ざり、睡眠どころではなかったのだ。
「アーラがね、二重契約は出来ないって。私を殺す事実は変えられないって……」
「そんな……」
次咲くんは言葉を失ってしまったようだった。
その切なそうな……脱力したような表情からは、絶望しか感じ取れない。