悪魔くんとナイショで同居しています




「うぅぅっ……次咲くぅぅんっ……」

「あ……うん、おはよう奏ちゃん?どうして泣いてるの?」



通学途中、次咲くんに出くわした瞬間に涙がどっと溢れてきた。



昨夜はなかなか眠ることが出来なかった。



やっぱり私は死ぬ運命なのかな。

アーラを撃退出来ないのかな。



どうしても非常な運命を受け入れられない自分。



そもそも悪魔に人間が敵うはずがない。

ましてや平々凡々な、ただの女子高生の私なんかがアーラに勝てるはずがない。

それなら……今のうちにやり残したことをやっておくべきなのかな。



やっぱり運命を受け入れざるを得ないのかもしれない。



相反する気持ちが入れ混ざり、睡眠どころではなかったのだ。



「アーラがね、二重契約は出来ないって。私を殺す事実は変えられないって……」

「そんな……」



次咲くんは言葉を失ってしまったようだった。

その切なそうな……脱力したような表情からは、絶望しか感じ取れない。




< 178 / 360 >

この作品をシェア

pagetop