悪魔くんとナイショで同居しています
次咲くんは何かを言おうとモゴモゴしていたけど、
「いいんだよ、次咲くん」
言わんとしていることが分かったから、あえて止めた。
「でも……奏ちゃん」
「謝らなくてもいいよ。あの夜、校庭に行くキッカケを作ったのは次咲くんかもしれない。でも最終的に私が決めたことだから」
次咲くんは納得のいかない表情をしていたけど、私はこれでいい。
誰のせいでもなく、あの夜校庭に行く決断を下したのは私自身なんだから。
受け入れたくないけど、
私はこの運命を受け入れるしかないんだ。
「だから次咲くん。もうアーラを倒すなんて考えるのは辞めよう」
「でも……でもまだ、何か良い案があるかもしれないじゃないか!」
「そうだとしても、私達が敵う相手じゃない。それは次咲くんも分かってるでしょ?」
だったら思う存分……残された時間を楽しむしかないじゃんか。
メソメソしている時間すら惜しいよ。
「あ……でも、言われた通りアーラとは仲良くしてみるよ。彼にもほんの少し、優しさがあるみたいだからね」
「うん……。でも僕はまだ諦めないよ奏ちゃん。奏ちゃんが生きられる方法を必ず見つけるから」