悪魔くんとナイショで同居しています
残された時間が少ないのなら、
やり残したことをやらなきゃ。
そうだなぁ。
って言っても……何をすればいいのかな。
深いため息をこぼすと、騒がしい声が響く教室内に足を踏み入れた。
やっぱり……誰もオハヨーだなんて言ってくれないよねぇ。
うん、わかりきってるんだけど切ない。
紗千は女子達との雑談に夢中で、見向きもしてくれないし。
私もまたああやって……紗千と笑い合いたいなぁ。
よし、話しかけてみようかな……?
いつもなら一人席について、チャイムが鳴るまで寝たふりなんかしているけど……
この日の私は違うんだ。
「さーちっ!おはようっ!」
満面の笑みで肩を叩いてみた。
紗千はびくりと肩を揺らし振り返ると、
「は?なに……?なんなの?」
驚きつつも睨んできた。
「楽しそうだね?私も混ぜてよぉ」
「いや……何言ってんの?てかマジで何?いきなり怖いんだけど!」
あー、やっぱりそう返してくるよねぇ。
うん、分かってたよ分かってた。
でもさ、もう一度だけでいいから紗千と笑い合いたかったんだよ。