悪魔くんとナイショで同居しています
向かった先は屋上だ。
あそこならきっと誰もいないし、思う存分声を出して泣けるだろう。
泣きながら屋上のドアを引くと、
「ひっ……」
今日に限ってそこには、なんと垣内くんと田村くんがいた。
タバコの煙を吐く二人と目が合った。
「あれっ、モヤシの彼女じゃん」
「いやいや垣内。アイツあのいけ好かない転校生と付き合ってんだって」
「は?マジ?この女が?だってブスじゃね?」
ブスって……そんなはっきり言わなくても。
そりゃあ彼氏いない歴イコール年齢だし、オシャレもしないし地味だけどさ。
いくらなんでも傷つくよぅ……。
「す、すみません……。帰ります……」
タバコ吸っていたことは見なかったことにしよう……。
「まぁ待てよ」
早く立ち去ろうと背を向けた瞬間、田村くんに呼び止められた。
ひぃぃぃ……。
恐ろしくて振り返れないよぉ。
「聞いてんの?モヤシ彼女っ」
「おい垣内っ、だからコイツは黒羽の女だって!」
「細かい事はなんでもいいだろ田村っ。こっちに来いよモヤシ彼女!」