悪魔くんとナイショで同居しています
「あわわっ……ごめん!」
咄嗟のこととは言え……。
アーラの腕を掴んで走るだなんて……なんて恐ろしいことをしてしまったんだろう。
あぁぁ。
やばい、怒らせちゃったかなぁ?
ちらちら表情を伺って見たけど、幸いにも不機嫌そうな様子は無かった。
「どうせ、俺がアイツらに手を出すとか思ったんだろ?」
「あぁ……はぁ。うん、そう……ですね」
やっぱり私の思惑はバレバレだったのか。
うぅ……何でアーラってば、こんなにも勘が鋭いんだろ??
アーラはため息を吐くと、
「心配しなくても、人間如き下等生物の戯れ言なんかにいちいち反応しねぇよ。くだらねー」
学校に向かって来た道を戻り始めた。
慌ててその後を追いかけ、
「ご……ごめんなさい」
隣に並ぶと、恐る恐る顔を覗き込んだ。
するとアーラは突然足を止めた。
その大きくぱっちりとした瞳は、私を真っ直ぐに映していた。
「つーかお前、イジメられてるくせに何でアイツらを助けようとするんだよ」