悪魔くんとナイショで同居しています
うぅぅ……怖い。
振り返って足を止めたアーラを直視出来ない。
だって睨んでる!
横顔にグサグサと視線が刺さってくるっ。
「はぁ……」
視線を右往左往へ泳がせていると、住宅街の一角にある広場で目が止まった。
そこでは、小学生が騒がしい声を上げながら野球をしていた。
……ほんっと、呑気なもんだよね。
私なんて死の淵に立たされているっていうのにさ。
「俺を無駄に振り回したってことだな?」
ひぇぇ……めちゃくちゃご立腹じゃんかぁ。
ボケッと小学生なんて眺めてる場合じゃないな、これは。
「ハッ!?」
恐る恐るアーラを見上げると、こちらに向かって飛んでくる野球ボールが目に入った。
ヤバイ!
アーラの後頭部に当たるっ!
「危ないっ!」
咄嗟に突き飛ばすような形でアーラに飛びかかった。
「うわっ!なんだよお前っ!」
「うぐぅっ……」
アーラが地面に膝をついた瞬間、野球ボールが私の顔面にめり込んだ。