悪魔くんとナイショで同居しています
ひーりんぐ?
なんなのそれ?
すぐにそう聞き返すと、
「ヒーリングっていうのはね、癒しの力だよ。つまり大悪魔様は、奏ちゃんを助けたってこと」
驚きのあまりに目玉が飛び出そうな答えを返してきた。
「アーラが私を癒した?」
確かに痛みは全く無くなったし……。
鼻血も一瞬にして止まった。
いや、でもあのアーラが私を助けるなんて考えられない。
「それが優しさなのかどうかは分からないけどね。でも、奏ちゃんを癒したのは確実だよ」
「そう、なんだぁ?」
もしかして……アーラにも優しさが?
な、わけないよね。
多分……何か思惑があっての行動でしょう。
「それよりも奏ちゃん……」
次咲くんは机に教科書を仕舞う手を止め、やけに真剣な眼を向けてきた。
「ん?なに?」
「大悪魔様と……デートしたの?」
周りを気にしながら、声を潜めて耳打ちしてきた。