悪魔くんとナイショで同居しています




「はぁぁぁ……」



駄目だ、トイレの一件以来モチベーションが上がらない。

もうお昼の時間だっていうのに……頭から離れない。



あんなブスなんかに。

笑いながら言った、麻里子ちゃんの高い声が。



今日は賑やかな食堂じゃなくて、ひっそりと屋上でお弁当を食べようかなぁ。



うん、そうしよう。

それでゆったり流れる雲とか見上げて、荒ぶった気持ちを落ち着けよう。



母が作ってくれたお弁当を片手に、騒がしい教室を飛び出した。



屋上に向かって階段を駆け上がっていると、

「んぅ……」

微かに聞こえる女子らしき声に、ふと足を止めた。



何……もしかして屋上から?

えぇぇ、こんなタイミングで先客がいたの?

そりゃあないよぅ〜……。



「うんっ……」



やっぱり誰か屋上にいる。

ってゆうか、そこで何をしているんだろう?



吐息が混ざったような艶っぽい声がどうしても気になって、屋上の扉を開けてしまった。




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