悪魔くんとナイショで同居しています
ギィィィィィ。
そっと……そーっと押したつもりが、鈍い音を立てて扉が開いてしまった。
やばいっ。
今の音で覗いてることが気付かれちゃったかな?
「って………え?」
隙間から見えたのは、抱き合って唇を重ねているアーラと麻里子ちゃんだった。
少しだけ開いていた扉を、自らの意志で全開にした。
すると音に気付いたのか、麻里子ちゃんが慌ててアーラから離れた。
「あの……」
キスしてた……?
さっき……間違いなく、麻里子ちゃんがアーラの首に手を回してた。
麻里子ちゃんは顔を真っ赤にさせている。
その表情からは、恥ずかしさと怒りが感じ取れる。
そして何かを言いたげな目で睨み、舌打ちをして走り去って行ってしまった。
「……あーあ。せっかく楽しもうと思ってたのに」
名残惜しそうな瞳で扉を見つめながら、アーラが一段と深いため息を吐いた。
「あ……ごめんなさい」
ひぇぇ……。
ヤバイものを見てしまったなぁ。