悪魔くんとナイショで同居しています




「テメェ邪魔してんじゃねーよ」

「すみません……」



って、私達って確か付き合ってる設定だよね?

アーラが悪魔だからこその展開で、彼が人間だったら普通こうはならないよね?



うん、普通はキレるとこだもんね?

ってアーラにキレるなんて絶対に無理だけど。



「あの……もしかして麻里子ちゃんを好きになったの?」



キスをする、ってつまりはそういうことだよね。



「はぁ?好き?んなわけあるか、暇だから遊んでやろうと思っただけだっつーの」



なんて、質問した私が馬鹿でした……。

悪魔が人間に好意を寄せるはずない、か。



「あの……そういう楽しみ方はちょっと…。麻里子ちゃんはアーラが好きなんだよ」



ただの遊びだと吐き捨てたアーラはまるで……

麻里子ちゃんの気持ちを弄んでいるようで見ていられなかった。



「好きとかそーいうの、理解できねぇんだけど」

「だったら駄目だよ……麻里子ちゃんがかわいそうだよ」



麻里子ちゃんはきっと、受け入れてもらえたと思っているはず。

それなのに……こんなのって悲しいよね。



アーラの目つきが一層鋭くなった。



ひっ……。

お、怒らせちゃった……かな?




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