悪魔くんとナイショで同居しています
「わざわざ心なんて読まなくても、お前が考えそうなことくらいは分かる」
「うぅぅ……そんなぁ」
結局のところ心を読めるかどうか……は、謎に包まれたままってわけね。
敢えて謎は追求しないでおこうか。
だって真実を知ることが怖いんだもん。
アーラをお祓いしたりとか、撃退法を模索したりとか……。
もしかしたら、バレてる可能性だってあるわけだしね。
よし、さっさと話題を変えよう。
「アーラは良いじゃん……。カッコいいしモテモテだし、羨ましいくらいだよ」
「悪魔は皆こうだ。人間に姿を見せる時は万人に好まれる容姿じゃなきゃな」
へぇ……。
確かに、アーラは万人に好かれるようなルックスだけどね。
そうやって、人間をたぶらかしやすくしているってことなのかな?
それにしても。
常に女子から黄色い声を浴びているアーラからすれば、恋愛をしたことがないなんて悩み……
馬鹿馬鹿しいことなんだろうなぁ。
「きゃっ……!なっ、なに!?」
深いため息を吐いた直後、いつの間にそこにいたのか……
いきなり力強く押し倒されてしまった。
視界に映るのは天井と、私を真っ直ぐに見下ろすアーラだった。