悪魔くんとナイショで同居しています
急いで朝食を掻き込むと、慌てて家を出た。
夢じゃないとすれば、魔法陣が残っているはず。
それに次咲くんに借りた、悪魔の本も無くなってる。
きっと校庭で落としてしまったんだろう。
「あっ、奏ーっ!おはよー!」
「ごめん、紗千!また後でね!」
学校に着くまでの間、数人の女子に話しかけられたけど走り続けた。
程なくして校庭に着くと、
「あれ……何もない?」
そこには魔法陣らしきものは見当たらなかった。
視界に入るのは、和気あいあいとする生徒達の姿だけ。
あっ、そうだ。
次咲くんの本を探さなきゃ。
校庭の脇に佇む、大木へ走った。
昨夜はずっと木陰にいたんだから、あるとしたらきっとそこしかない。