悪魔くんとナイショで同居しています
ってこんなの駄目駄目。
もうアーラにキスされたことは忘れなきゃ。
恋愛未経験の私にとって、あの出来事は少々刺激的過ぎて……。
思い返すだけで胸が高鳴ってしまう。
身体も顔も熱を帯びてしまう。
とりあえず次咲くんには何でもない、で切り抜けることが出来たから良かったものの。
そのうち何か感づかれてしまうんじゃないかって……少し怖い。
……よぅし。
綺麗さっぱり忘れようじゃないか。
アーラにキスなんてされてない!
うん、これでいいっ。
靴箱に着き、気合いを入れ直してスリッパに履き替えていた時だった。
「おい、二十日奏」
背後から、怒りの色を含む声が私の名を口にした。
この高い声はもしかして……
「麻里子ちゃん……」
と、その取り巻きであるギャル三人組もいた。
こ、これは……。
もしや、先日屋上で鉢合わせた件についてじゃなかろうか……。
「翼くんのことだけど」
オーノー。
やっぱりソウデスカー。