悪魔くんとナイショで同居しています




「それはどういう意味?」

「本来俺は、魔界に居なきゃいけない存在だから。人間界に出向くのは、下級悪魔達の仕事だからな」



下級悪魔の仕事、かぁ。

アーラは上級悪魔だもんね。



つまり、部下にただ指示をだすだけってことなのね。

改めて、良い身分なんだなって思う。



「じゃあ、アーラが魔界に帰ったら私達はもう会うことはないんだね」

「そういうこと」



それってなんだか、嬉しいような……ほんの少しだけ寂しいような。

何だかんだ言って、ずっと一緒にいるんだもんね。



「そっかぁ。アーラは魔界に帰らなきゃいけなかったんだっけ」



その時は私も……この世からいなくなるってことだ。



「ねぇアーラ。人は死んだらどうなるの……?」



もうすぐ私も死ぬんだって思ったら、急に怖くなってきた。



「さぁな。霊にでもなって幽界に行くんじゃねーの?俺達とは住む世界が違うから分かんねーよ」

「そっかぁ……」



じゃあ私はたった一人で幽界に行かなきゃいけいの?

そんなの嫌だよぉ。



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