悪魔くんとナイショで同居しています




とは言え、やっぱり死にたくない。

頭では分かっていても、そう簡単に覚悟なんて……出来ないよ。



「なーにが運命を受け止めるだよ。ぜんぜんそんな顔してねぇじゃねーか」

「あ、いや!大丈夫っ」

「嘘つけ。分かりやすいんだよお前は」



アーラは深いため息を吐きながら背中を草地に預けた。

寝転がって空を見上げる姿を見ていると、それがあんまり気持ち良さそうに見えて……

私もやってみようかな、なんて思った時だった。



垣内くんと田村くんが釣りを楽しんでいる河原が、何だか騒がしいことに気が付いた。



「なに?!」



慌てて飛び起き、垣内くん達がいる河原に目を移す。

するとそこには、遠目から見ても分かる……佐々原くんの姿があった。



あの派手派手しい金髪、特徴的なつんつん頭……間違いなく佐々原くんだ。

ってことは、もう退院してたんだね。



それにしても……何をしているんだろう?

仲良く話しているような雰囲気ではないような気がする。



「ねぇ、アーラっ。起きてよアーラっ」



その異様な雰囲気に怖くなって、隣で寝転がるアーラの身体を揺すった。




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