悪魔くんとナイショで同居しています




やっぱりそうだよねぇ。

うん、分かりきっていましたとも。



ならここは結局、私が仲裁に入るしかないじゃん?!

喧嘩に巻き込まれる可能性は大だけど、黙って見ているなんて出来ない。



意を決して彼らの元へ行こうと一歩踏み出した時、

「行かせない、って言ったらどうする?」

アーラに手首を掴まれた。



「えっ?それは困るよ……」



通行人がいれば、彼らを止めてくれるかもしれない。

でもこんな時に限って、全くと言っていいほど人通りがない。

それはすなわち、今の現状で佐々原くんを止められるのは私しかいないってことだ。



「お前に何が出来る?」

「分からないっ。けど、黙って見てることは出来ないの」



確かにアーラの言う通りだ。

次咲くんを助けた時のように、私は何の役にも立てないかもしれない。



「今突っ込んだら、お前の身が危なくなるんだぞ。分かってんのかよ」

「それは分かってるよ。それでも私は行きたいの」



こんな私でも、もしかしたら何かの役に立つかもしれないじゃない。




< 234 / 360 >

この作品をシェア

pagetop