悪魔くんとナイショで同居しています
やっぱりそうだよねぇ。
うん、分かりきっていましたとも。
ならここは結局、私が仲裁に入るしかないじゃん?!
喧嘩に巻き込まれる可能性は大だけど、黙って見ているなんて出来ない。
意を決して彼らの元へ行こうと一歩踏み出した時、
「行かせない、って言ったらどうする?」
アーラに手首を掴まれた。
「えっ?それは困るよ……」
通行人がいれば、彼らを止めてくれるかもしれない。
でもこんな時に限って、全くと言っていいほど人通りがない。
それはすなわち、今の現状で佐々原くんを止められるのは私しかいないってことだ。
「お前に何が出来る?」
「分からないっ。けど、黙って見てることは出来ないの」
確かにアーラの言う通りだ。
次咲くんを助けた時のように、私は何の役にも立てないかもしれない。
「今突っ込んだら、お前の身が危なくなるんだぞ。分かってんのかよ」
「それは分かってるよ。それでも私は行きたいの」
こんな私でも、もしかしたら何かの役に立つかもしれないじゃない。