悪魔くんとナイショで同居しています
「ねぇねぇ、一緒に理科室行こうよ〜」
明るい声でそんなことを言いながら、紗千が隣を横切った。
もちろん私を誘ったんじゃない。
きゃっきゃと笑い声を上げながら、教室を出て行く紗千の背中を見つめた。
……私も理科室に行かなきゃ。
机から教科書を取り、席を立った時だった。
麻里子ちゃんと、その友達のギャル達が教室に入って来た。
麻里子ちゃんは教室に足を踏み入れた瞬間、
「うわっ、地味子が視界に入って来たんだけど。マジ最悪〜」
怒りの色を宿した瞳で、冷たく吐き捨てた。
地味子って……まさか私?
いや、目合ってるし私で間違いないか。
「あ……おはよう」
「は?喋んなブス」
うぅ……さすがにそれは傷つくよ。
完全に嫌われちゃってるなぁ。
「マジこいつブスだよな〜」
そして麻里子ちゃんとまだ付き合っているらしい、垣内くんまで同調してくる始末。
その発言に、クラスメート達の視線が一斉に集まった。