悪魔くんとナイショで同居しています




「うっ……うぅっ」



走りながらも涙が止まらない。



なんで?

いつまでこんな仕打ちを受けなきゃいけないの?



「ふぅぅうっ……」



私が何をしたっていうの?

これは何の戒めなの?



「ぅくっ……」



溢れる涙を拭うこともせず、屋上の扉を押した。



「うっ……わぁあぁぁあぁあんっ」



そして誰もいないこの場所で、子供のように声を上げて泣いた。

心の中にある悲しみや辛さを、全て吐き出すかのごとく。



時間も忘れて、泣いて泣いて泣き続けた。



「おい、こんな所で何をやっている」



扉が開く鈍い音が遠くから聞こえてきたかと思うと、すぐ後ろからアーラの声が聞こえた。



「……アーラこそ」



振り返りもせず、柵に顔を突っ伏したまま答えた。



なんでこんな時にまで……

私を探しに来るの?



そんなに監視しなくたって、アーラが悪魔だってことは誰にも言わないのに。




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