悪魔くんとナイショで同居しています
「お前を探してたんだよ」
ほら、やっぱり……。
私の姿が無くなると、毎回そうやって探しに来るんだもんね。
「いいよ、探さなくたって。誰にも言わないよ、アーラのことは」
だからたまには一人にして欲しい。
もう探さないで欲しい。
ハッキリとそうは言わなかったけど、今の言葉でそれとなく伝えたつもりだ。
「その理由もあるけど、それだけでお前を探しているわけじゃない」
「……じゃあなに?」
振り返ると、ほど近くでアーラと目が合った。
アーラはやけに真面目な顔で、
「お前が一人で泣いてるだろうと思ったから」
聞いたこともないような優しい声で、予想もしていなかった言葉をくれた。
「えっ」
それは、アーラなりに慰めてくれてるの?
まさかね……悪魔の彼に、そんな優しさが備わっているはずないよね。
「俺はお前といつも一緒だ。一人で泣いたりなんかすんな」
「えっ?!ちょっ……」
アーラが両手を開いた直後、すっぽりと腕の中に包まれた。
「あ……あぁぁあぁあぁアーラ?!」
やだっ、なにこれ?
まさか私……抱きしめられてる?!