悪魔くんとナイショで同居しています
「やっ。恥ずかしいよぉ……」
抱きしめられるって、こんな感覚なの?
妙に安心感があって……温かくって。
って、悪魔って温かいんだ?
「俺は周りと違って、お前を一人にさせたりなんかしない」
「……うん」
「ずっとお前の側にいる」
アーラの口から出た言葉の数々は、何か良からぬことを企んでいるからなのか……
それとも優しさなのか。
考えてもよく分からなかったけど、何故だが涙が止まらなくなってしまった。
「うん……」
彼が悪魔だとか、そんなことはこの際どうでも良くなってきた。
一人じゃなくなるのなら、それでもいいじゃない。
悪魔だっていいじゃない。
見た目は私達と変わらない、人間そのものなんだから。
「お前が望むなら、魔界に来ればいい。そうすれば、俺とお前はこの先もずっと一緒だ」
「そうだね」
こんな世界にいたって、誰も私の側にいてくれないんだ。
誰も一緒にいてくれないんだ。
「そうするよ。私、魔界に行きたい」
ならよっぽど、魔界の方がマシだって思えてきた。