悪魔くんとナイショで同居しています




「……え?なんだって?」

「だから、もういいってことだよ」



お昼休みに入り、食堂の片隅で次咲くんと昼食をとっていた。

最近ではこうやって、並んでうどんをすすることが定番となっていた。



一緒に食べる約束をしたわけではないのに『片隅』を好む私達は……

偶然にも、よく出会ってしまうだけの話。



「奏ちゃん。それってつまり、死んでも構わないってこと?」



次咲くんの顔色があからさまに曇った。



そりゃあそうか。

だって次咲くんが提案してくれた、アーラの撃退法を拒否したのだから。



「死にたいわけじゃないけどね。私は運命を受け入れることにしたの」



言うならば、もう悪あがきはしたくないってこと。

そもそも、次咲くんが提案する天使を召喚して助けてもらうって話……。

上手くいくとは到底思えないんだもん。



「でも……悪魔だって召喚出来たんだから。天使だってきっと出来るよ!」

「どうかなぁ」



確かに、悪魔が実在するなら天使だって実在するかもしれない。

でも、ソレを正しい方法で思うような天使を呼べるのかって言ったら?



「大丈夫だよ、奏ちゃん」



いやぁ……信用できないよ。




< 248 / 360 >

この作品をシェア

pagetop