悪魔くんとナイショで同居しています
「……え?なんだって?」
「だから、もういいってことだよ」
お昼休みに入り、食堂の片隅で次咲くんと昼食をとっていた。
最近ではこうやって、並んでうどんをすすることが定番となっていた。
一緒に食べる約束をしたわけではないのに『片隅』を好む私達は……
偶然にも、よく出会ってしまうだけの話。
「奏ちゃん。それってつまり、死んでも構わないってこと?」
次咲くんの顔色があからさまに曇った。
そりゃあそうか。
だって次咲くんが提案してくれた、アーラの撃退法を拒否したのだから。
「死にたいわけじゃないけどね。私は運命を受け入れることにしたの」
言うならば、もう悪あがきはしたくないってこと。
そもそも、次咲くんが提案する天使を召喚して助けてもらうって話……。
上手くいくとは到底思えないんだもん。
「でも……悪魔だって召喚出来たんだから。天使だってきっと出来るよ!」
「どうかなぁ」
確かに、悪魔が実在するなら天使だって実在するかもしれない。
でも、ソレを正しい方法で思うような天使を呼べるのかって言ったら?
「大丈夫だよ、奏ちゃん」
いやぁ……信用できないよ。