悪魔くんとナイショで同居しています
確か、悪魔に魂を売るなだっけ?
彼らに心を許してしまうと、支配され逆らえなくなって……やがて魔界に引き込まれるのだと。
魔界に引き込まれた暁には、悪魔の手となり足となり働かされるのだと。
そんなことが……次咲くんから借りた悪魔の書に記されてあったのを思い出した。
「アーラはそこまで酷いことはしないよ」
「奏ちゃんは何も分かってないよ。相手は悪魔なんだよ?優しさなんて欠片も無い、人間を苦しめるためだけの存在なんだ」
「優しいところもあるよ」
アーラは非情な悪魔だけど、私を助けてくれたことだってあるんだよ。
焼却炉から靴を探してくれたこと。
ヒーリングをしてくれたこと。
壊せる力を使って、佐々原くんから武器を失わせたこと。
どうしてそんな行動をとったのかは分からないけど、助けられたのは事実なんだ。
「奏ちゃんは大悪魔様を信用し過ぎだよ。彼は君が思っているような、良い人なんかじゃない!」
「彼がどうだろうと私はアーラを信じるの!」