悪魔くんとナイショで同居しています
「奏ちゃんは騙されてる!」
次咲くんは机を叩きながら、珍しく声を荒らげた。
その剣幕に驚いてしまい、言葉が出なくなった。
すると次咲くんはすぐに眉を下げ、
「奏ちゃんがイジメにあっているのも、孤独なのも、全て大悪魔様が仕込んだことなんだからね」
心配げな、悲しそうともとれる眼を向けてきた。
「アーラが?そんな馬鹿な……」
「考えてみてよ。どうして彼女達が、奏ちゃんを目の敵にしているのか。その背景には、みんな黒羽翼がいるはずだよ」
「……それは、そうだけど」
イジメの背景には、黒羽翼がいる。
確かに……そうだ。
柏崎さんの件も、麻里子ちゃんの件も……。
怒らせてしまった原因は、私がアーラに接触してしまったからだ。
紗千と仲違いした理由だって、元は次咲くんと会話をしたことだったけど……
最終的には私がアーラと親しくしていたから。
アーラとの関係を靴箱で聞かれて以来、会話は全くしていない。
「奏ちゃん。絶対に悪魔に心を許したら駄目だ。どんなことを言われても、どんなことをされてもだよ」