悪魔くんとナイショで同居しています
「どんなことを言われても、されても……かぁ」
髪の毛をドライヤーで乾かしながら、次咲くんが放った言葉をまた思い出した。
アーラが私がイジメられるように細工したの?
まさか、まさかだよね。
だって優しい声で言ってくれたのに。
ずっと側にいるって。
抱きしめてくれたのに。
その優しさすら偽りだったなんて、やっぱりそんなこと思いたくないよ。
「今の、何の話し?」
「ぅわぁぁあっ!」
ドライヤーのスイッチを切ったと同時に、アーラに背中を叩かれた。
って、いつの間に背後にいたの?!
窓はちゃんと閉まってるし……もしかしてまた瞬間移動したのっ?!
「なぁ、何の話しって聞いてんだけど?」
「いやっ。別に、独り言!本当に普通に何の意味もない独り言!」
とりあえず誤魔化してみたものの……。
アーラの目を欺くことは無理そうだ。
「で?何の話し?」
ほら、やっぱりそうきたか。