悪魔くんとナイショで同居しています




垣内くんに勢い良く突き飛ばされ、尻もちをついた。

打ち付けたお尻や背中から鈍痛がするけど、痛がっている場合なんかじゃない。



尚も校庭に向かって歩を進める、垣内くんの服の裾を力の限り引っ張った。



「テメェしつこいんだよ!気持ち悪いな!」

「駄目!お願いだから辞めてよ!」



彼は私達人間を簡単に殺めることが出来る、恐ろしい力を秘めた悪魔なんだよ!

垣内くんが殺されてしまうよ!



そう叫びたかったけど、ぐっと呑み込んだ。



「うぜぇなコノヤロー!テメェを最初にボコボコにしてやろうか?!」

「いっ……いいよそれでも!垣内くんは絶対に黒羽くんに勝てないんだからっ」



それで少しでも足を止められるなら、垣内くんの気が済むなら私は殴られたって構わない。

いや……やっぱり痛いのは嫌だけど。



でも他に思いつかないんだもん。

垣内くんを止められる方法が。



「俺が黒羽に勝てないだって?馬鹿にしてんのか?」

「ひっ……」



垣内くんに胸倉を掴まれた途端、冷や汗がドッと溢れてきた。




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