悪魔くんとナイショで同居しています
「あっ!テメェ黒羽っ!!」
「へっ……?」
なんですと……?
こんなタイミングでアーラだってぇぇえ?!
冗談、もしくは幻であって欲しい。
垣内くんの視線を辿り、淡い期待を抱きながら振り返った。
「……なんか用?」
アーラは怒り心頭な垣内くんを前に、あざ笑うかのような笑みを浮かべ足を止めた。
「あっ、ちょっ、垣内くん!!」
胸倉を掴む手を離してくれたと思いきや、地を踏み鳴らしながらアーラの元へ歩き始めた。
やばいっ!
止めなきゃ二人が接触してしまう!
羽交い締めにしてでも止めようと駆け出した瞬間、
「痛っっっ!」
校庭のど真ん中で勢い良く転んでしまった。
あぁあ……擦りむいた膝が痛いぃ。
最悪だよ、なんでこう不幸ばっかり降り掛かって来るの?
「おいコラ、テメェ誰の女に手を出してんだよ」
痛みに悶絶していると……最も恐れていた事態が起こってしまった。