悪魔くんとナイショで同居しています
「ひゃぁぁぁあぁあっ!垣内くん駄目っ!」
私ならまだしも、アーラの胸倉をも掴み上げるなんて!
そんなこと……そんなこと自殺行為と言っても過言じゃないよぉお!
「……あのさ、これは何のマネかな?」
アーラは襟を掴む手を振り払うでもなく、無表情で垣内くんを見下ろしている。
「しらばっくれんなよ。テメェ、麻里子とキスしたんだってな?目撃者がいるんだよ!!」
左手で胸倉を掴み、右手に握りこぶしを作っている垣内くんは、明らかに臨戦態勢だ。
慌てて二人の元へ駆け寄り、
「ねっ、垣内くん?もう辞めよう?ほら、チャイム鳴ってるよ?もうすぐホームルーム始まるよ?!」
なんとか宥めようと試みるものの、一切視界に入れてもらえず。
って、もうすぐホームルームが始まるよとかはどうでもいいのか。
相手は気まぐれで授業に出るような、超がつくヤンキーなんだから。
「麻里子?あー……あの子か。うん、したけどそれが何か?」
アーラぁぁぁああっ!
キスしたことをさらりと認めたら駄目じゃんかぁぁっ!