悪魔くんとナイショで同居しています





「別にいいよ。んなことしたって何の意味もない」

「でも……一応した方がいい気がする」



口元や目元が、赤黒く腫れているのは事実だし。

悪魔の自己治癒力がどれほどかは分からないけど、やるとやらないじゃやっぱり違うよね?



アーラにそのまま座ってて、と残しアイスノンを取りに向かった。

山吹色のカーテンをくぐり、冷凍庫に手をかけた瞬間のことだった。



「柏崎さん、大丈夫?結構血が出てるね」



ん……?

廊下から紗千の声が聞こえる。



「ちょっとヒリヒリするかなぁ。消毒して絆創膏貼って貰えば大丈夫だよ」



あれ?

柏崎さんの声も聞こえる?



これってもしかして……保健室に向かってる?!

どうしよう?!

アーラと二人でいる時に、まさか鉢合わせちゃう?



急いでカーテンを閉め、慌てて布団の中に身を隠した。



「あっ?あれー?黒羽くん?!」



すると扉を引く音と同時に、紗千の甲高い声が室内に響きわたった。



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